登園後、いつもと違う園庭の様子に子どもたちは興味津々。晴天に恵まれた“おもちつき”の日。かまどで薪が燃され、炎が見えます。釜のお湯が沸騰し、もち米を蒸していきます。もち米は、水に浸して一晩おきました。“火守り”が重要です。かたわらで、臼や杵がお湯で温められています。大きなやかんで、何度も何度もお湯を沸かし足します。だんだんと、もちをつく準備が整っていきます。
今日の“総リーダー”は、歯磨き教室や歯科検診でお世話になっている歯のお医者様。“もちつき”のことを知り尽くしたスペシャリストです。実は、前日には薪の状態や量を確認し、臼や杵に鑢をかけ、多くの時間を費やして準備していただきました。子どもたちのために、毎年、毎年、駆けつけてくれます。
もちつきは、子どもたちにとって貴重な経験です。臼や杵、かまどや羽釜など、普段見ることのない珍しい道具に触れます。重い杵は、両手で持って使うことを体験します。もち米を蒸して、こねて、ついて、おもちが出来上がる過程を知ります。「餅をつく」という経験が難しい時代ですが、いつか、いつか、「楽しかった」と思い出す日が来ることを願います。
年長組がもちをつくとき、年少組、年中組から「よいしょ、よいしょ」と声が掛かります。パワーをもらって、力強くつきます。つきたてのもちをちょっとさわってみます。「やわらかい」「べとべと」「はやく食べたい」…。つきたてのおもちに触れるのは、初めてでしょうか。
もち米が蒸される様子の観察もします。初めてもち米を見る子も…。一口サイズに手に分けてもらい、食べてみます。「おいしい」「おかわり」「もっと食べたい」「あまい」…。ここから“お餅”に変化することを知ります。
保育室では、お母様方が子どもたちのお弁当箱に分ける作業を行っています。大きな塊をだんだん小さくして、同じ大きさに丸めてお弁当箱へ。おうちでの楽しみです。
お米は、古くから生命力を高めるものとして大切にされてきました。お供えし、感謝しながらいただくことで、新しい力を授かると言われます。実際に「餅つき」をすることで、日本の伝統行事の意味を知り魅力を感じることができたと思います。
保護者有志の皆様、父母の会の皆様、子どもたちのためにありがとうございました。